-----BEGIN PGP SIGNED MESSAGE----- Hash: SHA1 - -- パソコンと目の症状などについて Second Opinion - i@mail i@メール お問合わせの多いご質問に対する一般的な回答です。                     やまむら眼科医院 山村 敏明   オーストラリアにおける1、316人を対象とした大規模な疫学調査です。 6年間にわたり、電気・電子関連の一企業内で健康調査が行われました。 調査開始1年後、VDU作業従事者 692名 対照者(VDUを使用しない事務従事者)624名 の結果は下記のとおりです。  なお、配置転換や職場内のVDU普及に伴い、4年目では前者499名、後者196名が対象となりました(下記 N-7を参照)。 VDU: Visual Display Unitの略。VDT(Video Display Terminal)を用いることが多い。コンピュータやワープロのモニター画面を見ながら行う事務作業。          VDU作業と関連のあった項目(1年目) 多項目にわたる検討の結果、 P-1)まぶしい P-2)目が痛い P-3)かすむ P-4)目が疲れる、まぶたが重い P-5)首筋の症状[痛い、しびれる、凝る、脱力感がある] P-6)肩、腕、手首の症状[痛い、しびれる、凝る、脱力感がある] P-7)指や手の症状[痛い、しびれる、凝る、脱力感がある] については、VDU作業従事者の方が対照群より有意にこれら症状を自覚することが多かった。 ただし、上記症状の中で、 P-a)目の痛みとかすみについては、両群間の差は小さい。 P-b)眼症状以外の3項目(首筋、肩、指など)は、[女性]も有意な因子である。 P-c)目や首筋の症状は、眼鏡との相関性が高い。適切な眼鏡をかけた方が症状は少なくなる(まぶしさを感じる40歳以下を除く)。 P-d)[まぶしさ]は、[年齢]との相関もあり、40歳以下は眼鏡使用者で、40歳以上は眼鏡未使用者で症状が多くなる。            関連性のなかった項目(1年目) N-1)色彩感覚 N-2)色の弁別 N-3)頭痛 N-4)目の乾燥感、灼熱感 N-5)涙が出やすい N-6)目の病気 N-7)近視の発病と進行 である。両群間では有意差はなかった。 ただし、 N-a) VDU群は、対照群にくらべて1年目で平均 0.35D(ジオプトリ)、4年目(文献2)で平均 右眼 0.50D 左眼 0.41D 近視度数が強かったが、データを検討した結果、VDU作業は近視を起こす重要な因子ではないと結論した。 文献) 1) Cole BL.他:Effect of VDUs on the eyes:report of a 6-year epidemiological study. Optom Vis Sci 73(8):512-528,1996. 2) correspondence: Optom Vis Sci 74(3):130-131,1997. 3) Lie I.他:VDT work,oculomotor strain,and subjective complaints:an experimental and clinical study. Ergonomics 37(8):1419-1433,1994. -----BEGIN PGP SIGNATURE----- Version: GnuPG v1.2.1 (MingW32) iD8DBQE+WHq0WKpMiVYLcIcRArvBAJ0XL971nOeqReVlLXUUWmK12SY10QCgm9A+ PmbO0eWfPjz+kPbNGb4yGbU= =O25D -----END PGP SIGNATURE-----