-----BEGIN PGP SIGNED MESSAGE----- Hash: SHA1 本文の著作権は(株)北陸アイティエス が所有しています。同社ビジョン編集室のご厚意により、配信いたします。 北陸アイティエス ビジョン編集室 編集・発行 ビジョン 2001.3.15 ******************************************************************  アレルギー性結膜炎 -スギ花粉症が代表的な原因に-                                  やまむら眼科医院院長 山村敏明                 (野々市町) 今や日本人の”国民病”5人に1人が花粉症に 厚生省(現・厚生労働省)の調査によると、日本人の15%以上、少なくても2千万人がアレルギー性結膜疾患だとされています。このアレルギー性結膜疾患の代表的なものが、スギなどの花粉症です。花粉症・アレルギー性結膜炎は、今や「国民病」とさえ言われます。戦後の植林事業によって、国土の12%がスギ林で占められるようになり、加えて、近年の食生活・体質の変化、環境汚染などが複合的にスギ花粉症増加の原因になっています。ちなみに、東京都の発表では「5人に1人が花粉症」だとされ、さらに毎年増え続けています。  アレルギー性結膜炎の原因としては、他にダニやハウスダストによる通年性のものや、春季カタルなどがあります。 目・鼻の症状にせきも 風邪かな?と思ったら 花粉症の症状は、  <目> 目のかゆみ、目の充血、涙が出る(流涙)、目ヤニが出る(眼脂)、目がゴロゴロする(異物感)  <鼻> くしゃみ、鼻水、鼻づまり  <その他の症状> 熱感、発熱、頭痛、のどのかゆみ、せき、皮膚のかゆみ、胃腸症状など。  はじめて花粉症になった人は、風邪だと思って、市販のカゼ薬を飲んでいることがよくあります。   こんな時は医療機関へ 初期療法で症状は軽く  毎年、強い症状に悩まさせるている人や、花粉の大量飛散が予測されている年などは、最寄りの医療機関への受診をお薦めします。花粉飛散が始まる2週間ほど前から、抗アレルギー薬の点眼薬、内服薬を処方してもらいましょう。この初期療法によって、症状は軽くなります(季節前投与法、予防的治療ともいいます)。  石川県では、今年も2月中からスギ花粉の飛散が始まり、花粉症の症状を訴える人が増えています。なお、今年のスギ花粉の飛散量は、石川、東京などは昨年量を下回り、富山などはやや多い程度と予想されています。 結膜炎の症状が強くなったら眼科医の診察を  目のかゆみが強い、充血が強い、涙が出る、目ヤニが出る・・。これらは、結膜炎が強い場合の症状です。症状が強くなってきた時、一時的にステロイド点眼薬を併用していただくことがあります。目の症状は素早く緩和しますが、まれに眼圧上昇、感染症の誘発など、副作用が現れますから、ステロイド点眼薬の使用中は定期的に眼科医の診察を受けてください。 花粉が目に入ると結膜の細胞から物質が放出  目のかゆみや充血は、ヒスタミンとよばれる物質が結膜の血管や神経を刺激するためです。この物質は結膜のマスト細胞中に蓄えられており、花粉が目に入ると、細胞外に放出されます。 点眼薬は医師や薬剤師に相談し正しく使用を  花粉症のための点眼液は、使用法を必ず医師や薬剤師に聞きましょう。早く症状を抑えるときは、ヒスタミンに作用する点眼液やステロイド点眼液を使用します。抗アレルギー点眼液と呼ばれるものは、ヒスタミンなどの細胞外放出を抑制するお薬ですので、予防的治療に適していますが、効果発現までに時間がかかり、シーズン中は毎日使用する必要があります。通常、1日4回点眼しますが、1日2回で効果のある点眼液も発売されています。 花粉症-こんな日は気をつけて少しでも軽くする予防の対策を  ・好天で気温が高い日   ・空気が乾燥して風が強い日  ・雨上がりの翌日  ・高温の日が2~3日続いた後  ・雨の降り出す直前  ・昼前後と日没後  このような日や時間帯が、花粉の飛散量が多くなり、外出を控えた方がよい時です。もちろん、こんな時は家の戸や窓も閉めましょう。  メガネ、マスク、帽子の着用も目や鼻から入る花粉量を減らす予防効果があります。通常、メガネをかけるだけで目に入る花粉量は半分以下になると言われています。最近では花粉症用のメガネも販売されています。コンタクトレンズ装用者は、花粉量の多い約1ヵ月間、または症状の強い時、メガネに替えたり、サングラスを併用して下さい。  また、マスクをすると、鼻に入る花粉数は約3分の1になるそうです。  帰宅時は衣類に付着した花粉をよく払い落として室内に入りましょう。毛織物、羊毛製の衣類は特に花粉が付着しやすいそうです。洗濯物や布団、シーツなどを取り込む時も同様です。飛散量の多い時間帯の物干しを避けることも賢明です。また、帰宅後にはすぐに、洗顔、うがい、鼻をかむことも心掛けましょう。さらに、過労や精神的ストレスを避け、酒、タバコ、刺激性のある香辛料などは、できるだけ控えるようにしましょう。 ********************************************************************* -----BEGIN PGP SIGNATURE----- Version: GnuPG v1.2.1 (MingW32) iD8DBQE+WHhyWKpMiVYLcIcRAixjAKCUPj147hFoupXX87T+aad96LzjcgCgyrcJ ByIdqSwI0IJuYahUoXu9ips= =R62X -----END PGP SIGNATURE-----