-----BEGIN PGP SIGNED MESSAGE----- Hash: SHA1 - -- ドライアイの検査と治療について Sender: owner-i Precedence: bulk Reply-To: yamagk@purple.plala.or.jp Second Opinion - i@mail i@メール お問合わせの多いご質問に対する一般的な回答です。 やまむら眼科医院 山村敏明 とても有名な「ドライ アイ」チェックリストをまずお示しいたします。 当てはめてみて下さい。 - ------------------------ 1. 眼が疲れやすい 2. めやにが出る 3. 眼がごろごろする 4. 重たい感じがする 5. 眼が乾いた感じがする 6. 何となく眼に不快感がある 7. 眼が痛い 8. 涙が出る 9. ものがかすんで見える 10. 眼がかゆい 11. 光を見るとまぶしい 12. 眼が赤い 〇が5つ以上ならば、ドライアイの可能性があります。さらに10秒以上眼を開けられない。まばたきの回数が多い(40回/分以上)ならば、可能性がさらに高いそうです。 ================================================================= 目がかわく、かすむ、かゆみがある、ごろごろする、疲れるなど、いろいろな目の症状を自覚する。 パソコン作業などのまばたき(瞬目)が減る職業に従事。 コンタクトレンズを装用している。 いつも点眼薬を使用している。 口の中も渇きやすい。  多彩な症状+目が乾く環境+---=>最初に”ドライアイ”の有無を眼科医に診てもらいましょう。 ドライアイとは下記の診断基準にありますように、涙の量や質に異常があるため、目の表面の上皮細胞障害(後述)が起きている病態のことです。 診断の第一歩は、自己免疫疾患の1つである「シェーグレン症候群」が原因となっていないか、問診や所見から眼科医が判断することです。この病気は全身性の病気なので、疑わしいときは病院での精密検査が必要になります(この病気の解説は省略させていただきます)。 涙の量と質:       涙の量(水分量)が減っていないか?     涙の質の変化-特に油層の減少による水分蒸発過多-     がないか? を調べる検査は、いくつかあります。方法を選ぶことにより検査による痛みはほとんどありません。ただし、再現性(複数回くりかえしても、ほとんど同じデータとなるかどうか)には難点があり、上皮細胞障害も程度・部位が変化しやすいので、数回の診察後に正しい診断を受けられることをおすすめいたします。  未治療時に上皮細胞障害が常にみとめられる場合に、「ドライアイ」の診断がなされます。ただし、この上皮細胞障害は他の目の病気でもみられますので、十分な原因検査をした上での診断となります。  例) 点眼液の使用により(いわゆる副作用として)上皮細胞障害が発生 します。緑内障点眼薬によるものが有名ですが、点眼液には通常防 腐剤や安定化剤などが混合されていますので、使用方法・体質など によっては市販点眼薬といえども安全な薬剤はないといえます。 治療の原則は 涙の量(水分量)が減っている場合  人工涙液型点眼液の使用  モイスチャーエイド(ゴーグルなど)の装用  涙点(涙が鼻腔に流れ出る所で、鼻側のまぶたの縁にあります)  を閉鎖する手術(一時的、永久) 涙の質の変化-特に油層の減少による水分蒸発過多-  瞼板腺の分泌障害を合併しているとき   例えば、瞼板腺の感染症・炎症があれば抗生剤点眼液(内服)   を使用します。   瞼板腺のマッサージ温熱療法、洗浄などを推奨している眼科   施設もあります。    ドライアイの診断基準(1995年ドライアイ研究会) 1.涙液(層)の質的および量的異常 1)シルマー試験第1法にて5mm以下  2)綿糸法にて10mm以下  3)涙液層破壊時間(BUT)5秒以下   1),2),3)のいずれかを満たすものを陽性とする 2.角結膜上皮障害(1以外の明らかな原因のあるものは除く)  1)フルオレセイン染色スコアー1点以上  2)ローズベンガル染色スコアー3点以上    1),2)のいずれかを満たすものを陽性とする 1および2のあるもの ドライアイ確定例 1または2のあるもの ドライアイ疑い例 以上 -----BEGIN PGP SIGNATURE----- Version: GnuPG v1.2.1 (MingW32) iD8DBQE+WHmKWKpMiVYLcIcRAtdKAKC2RiVgvD4f1G7IyLrf45ac1O5fVgCgghvt MPwwGg+mVUs1ceXWsRSfJoQ= =f4Cl -----END PGP SIGNATURE-----